アカデミック・ジャパニーズ・グループ研究会

2009年度

第18回研究会

日 時: 2009年6月20日(土)  午後1時半から午後5時半まで 
場 所: 東京国際大学 早稲田サテライト 5Fマルチホール 
 

研究報告 山本富美子(武蔵野大学)
大学・企業が求める口頭表現力とその教え方
-タスク・シラバスによるコンテント・ベース教育の実践より-
 
講演とワークショップ 講師 筑田周一氏 (女子聖学院高校・国語科)
 
カンファランスを中心としたライティング・ワークショップの試み
-高校生を自立した書き手に育てるための実践から-

 本研究会では、2007年に第12回研究会で吉田新一郎さんによって「ライティング・ワークショップ」
という教育・学習方法に、 実際のワークショップを通じて触れてきました。その成果を、日々の「ことばの
教育」現場で、どのように生かすことができるのかを模索する必要があります。今回、高校の国語教育の
現場で、そうした模索を実践している筑田周一さんに、「ひたすら書く」という作業と、「カンファランス」という独特の<教育方法>とに焦点をあてて、ふたたびワークショップ自体を通じて、「ことばの教育」の新しい
あり方に向けての種蒔きをしていただきました。

また、山本富美子さんが長年蓄積してきコンテント・ベース(内容重視)のテキスト『国境を越えて』
の『タスク編』には、「大学で求められる高度な口頭表現力」が、さまざまな局面で課されています。
今回の報告では、学校だけでなく社会においても重要な、そうした口頭表現力をどのようにして育成するかについて、教育実践を踏まえた問題提起がなされました。

第19回研究会

日 時: 2009年11月7日(土)午後2時から午後5時半まで
場 所: 東洋大学白山キャンパス 6号館 2階 6203教室


講演およびワークショップ   講師 佐渡島紗織氏(早稲田大学准教授)
「対話を通して書き手を支援する-ライティング・センターを支える理念と実践-

 授業でのレポート、発表レジュメ、卒論、修論など、 学生の学術的文章の作成を支援する
ライティング・センターが、日本の大学でも開設され始めています。今回は早稲田大学に最近
開設されたライティング・センターの理念と実践についての講演・ワークショップを企画しました。
早稲田大学のセンターでは、「教員」と「学習者」の中間のような存在の「大学院生チューター」が
ライティングの個別指導を担当しています。このチューターを育成する研修について、対話を通して
書き手を支援する方法を中心に紹介していただきました。 

第20回研究会

日 時: 2010年2月6日(土)午後1時半から午後5時半まで
場 所: 東京海洋大学 楽水会館ホール 

研究発表:発表 池田隆介氏(北九州市立大学)  
「出典の記載をめぐる学部留学生の問題」

ワークショップ・講演
講師 鈴木真理子氏 「遊びと学びの会」(遊びと学びの融合を考える会)代表
 
「まりボール・まりトーク  ~連想力を刺激し,言語活動を活性化する場作りとしかけ~」 


 学習者の発話が少ない,萎縮している,モティベーションが低い,つまらなそうにしている…毎日の授業の中でそんなマンネリ状態に陥ってしまうことはないでしょうか?そんなときにいかにも勉強モードの講義や練習をしても,事態は悪化するばかりです。本研究会では,「インプロ」(即興で言葉を紡ぐ活動)や「詩で遊ぶ」活動の実践を永年続けてこられた鈴木真理子氏によるワークショップを行いました。「まりボール・まりトーク 」は,第2言語学習者のAJ分野のみならず,母語話者,成人,こども,地域の活動等,様々な分野・対象者に応用可能な技法です。学習者の身体と心をほぐし,発話を引き出して作文やスピーチにつなげる数々のアイデアを紹介し,来場者にもそれを体験していただきだきました。