2016年度
AJG第41回研究会 会員の発表および講演・ワークショップ
「体験!TAE―語りや振り返り記述から始める質的研究―」
講演とワークショップ趣旨説明
開智国際大学の得丸さと子先生をお迎えして、現象学を背景とした研究法TAE(Think at Edge)について講演をしていただき、ワークショップでこの手法を使って質的研究を体験する企画を行います。
日々の実践の中で、アンケートなどではすくい取れない現場の複雑さを研究対象にしたいと思っている方は多いと思います。一度きりの現場の臨場感を、単なる個別例の記述に終わらせず、研究の対象とすることができる方法として質的研究は有効で、エスノメソドロジー、M-GTA、TAEなど、様々な手法が取り入れられてきました。中でも、TAEはトレーニングの方法が確立されていて、手順が明確であるため、初級者でも取り組みやすいという特徴があります。
この機会に実践のリアルな感じを表現する経験をしていただきたいと思います。
参考文献:得丸さと子著(2010)『ステップ式質的研究法―TAEの理論と応用』海鳴社
第41回 世話人
伊藤奈津美(早稲田大学)
大島弥生(東京海洋大)
小笠恵美子(東海大学)
清水まさ子(国際交流基金)
高橋圭子(フリーランス)
松本明香(東京立正短期大学)
茂住和代(東京情報大学)
吉田美登利(東京工業大学)
概要
日時 | 2017年2月11日(土) 10:30~17:00 |
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会場 | 東京海洋大学 品川キャンパス 楽水会館大会議室 |
定員 | 80名 |
申し込み期間 |
2016年12月12日(月)午前10時〜1月31日(火) 定員になり次第締切りますので、お早めにお申し込みください |
参加費 |
会員:無料 非会員 1,000円(非会員の方の当日の入会も受け付けます) |
申し込み期間 | 2016年12月12日(月)〜 2017年01月30日(月) |
プログラム
【午前の部】会員の発表 発表要旨はこちら
10:00 | 受付開始 |
10:30-12:00 | 会員発表 |
12:00-13:00 | 昼食兼交流会 |
【午後の部】講演とワークショップ
講師:得丸さと子先生(開智国際大学)
「体験!TAE―語りや振り返り記述から始める質的研究―」
13:00-13:40 | 講演 |
13:50-15:50 | ワークショップ |
16:00-17:00 | 閉会 |
*若干スケジュールを変更させていただく場合がございます。ご了承ください。
講師紹介
開智国際大学 リベラルアーツ学部教授。博士(人文)。
専門は、日本語教育学、日本近世文学、質的研究法。
近年はTAE(Thinking At the Edge)を応用した文章表現法や質的研究法を研究している。
著書『TAEによる文章表現ワークブック』(図書文化社)、『ステップ式質的研究法-TAEの理論と応用』(海鳴社)、『学習者主体の日本語教育』(分担執筆、ココ出版)、『こども理解のメソドロジー』(分担執筆、ナカニシヤ出版)など。
第40回AJG研究会
アカデミック・ジャパニーズにおけるパフォーマンス評価としてのルーブリックを考える
趣旨説明
アカデミック・ライティングにおいては、明らかにしたい問い(リサーチクエスチョン)を立て、その問いに自分なりの答えを導き出す論理的な力が求められます。また、「巨人の肩の上に立つ」という言葉が示すように、先人の知恵に敬意を表し、剽窃にならないように先行研究(事実)と自分の考え(意見)を分けて書くことが求められます。しかし、引用は第一言語においても第二言語においても難しい行為であると言えるでしょう。このような複雑な認知過程を含む学習をどのように支援し、その成果をどのように評価すればいいのでしょうか。
本研究会では、教育工学の領域でルーブリックの研究をなさっている黒上晴夫氏をお迎えし、「パフォーマンス評価としてのルーブリック」と題して講演を行っていただきます。そして、日本語教育、第二言語習得研究、哲学という領域の異なる立ち位置からライティングの実践と研究を行っている研究者をお迎えして話題提供をしていただいた上で、アカデミック・ジャパニーズにおける学習者のパフォーマンスをどのように評価するかという点について、みなさまと議論を深めたいと思っています。
第40回 世話人
石澤 徹(東京外国語大学)
牛窪隆太(関西学院大学)
鈴木秀明(目白大学)
高橋 薫(早稲田大学)
内藤真理子(関西学院大学)
村上康代(関西大学)
概要
日時 | 2016年11月5日(土) 13:00-17:00 |
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会場 | 龍谷大学 セミナーハウス「ともいき荘」2階研修室 |
定員 | 80名 |
参加費 | 会員:無料 非会員:1,000円 |
申し込み期間 | 2016年9月30日(金)〜10月28日(金) |
プログラム
12:30〜 | 受付開始 |
13:00〜13:15 | 趣旨説明/話題提供 木下謙朗氏(龍谷大学) 「アカデミック・ジャパニーズの実践報告に見られる評価項目」 |
13:15〜14:10 | 講演 黒上晴夫氏(関西大学) 「パフォーマンス評価としてのルーブリック」 |
(休憩) | |
14:20〜15:10 | 話題提供 成瀬尚志氏(京都光華女子大学短期大学部) 「学生の思考力を培うレポート論題の設計」 鎌田美千子氏(宇都宮大学) 「評価の視点から見たパラフレーズの問題―アカデミック・ライティングにおける引用を中心に―」 |
15:10-15:50 | グループディスカッション |
(休憩) | |
16:10-16:55 | パネルディスカション |
16:55-17:00 | 連絡事項 |
17:00 | 閉会 |
講師紹介
黒上晴夫氏(関西大学 教授)
教育工学の観点から、学習者が主体的に学ぶ学習空間をデザインする研究を行っており、近年は、思考ルーブリックによる授業設計と評価、シンキングツールの体系化や普及などに取組んでいる。ルーブリックは学習者の思考を測るものさしであり、思考を見えるようにすることで、学びがどのように変わるのかについて実践と研究を進めている。
主なご著書
子どもの思考が見える21のルーチン~アクティブな学びをつくる~(共訳)北大路書房(2015)
考えるってこういうことか!「思考ツール」の授業 (共著)小学館(2013)
シンキングツール~考えることを教えたい~ 縮約版(共著)NPO法人学習創造フォーラム(2012)
ウェブサイト
黒上晴夫のサイトへようこそ Welcome to HK's Home Page
JUST School 実践事例レポート 見える「評価」で授業が変わる!〜ルーブリックで授業づくり〜
第39回AJG研究会
ケースメソッド教授法の日本語教育への応用を考える -ケース教材を使ったワークショップ-
講演・ワークショップ趣旨説明
教師は、個々の状況の多様で、かつ複雑な要因を分析し、知識・経験と照らし合わせながら、的確な判断を行い、意思決定を行なっていくことが求められます。このためには、それまでの経験を総動員し、問題の原因を探り、最善の解決方法を導き出すための、統合力、洞察力、判断力が必要で、竹内(2010)は、これを「実践力」と呼び、この育成に「ケースメソッド教授法」が有効であるとしています。この教育方法において用いられる教材が「ケース教材」です。
ケース教材には問題発生の経緯が当事者の視点で物語的に書かれています。この内容をめぐり、討論をし、疑似体験を積むことによって、意思決定能力を育成することを目指します。このような能力は、社会人・職業人に求められている能力であり、さまざまな専門分野の高等教育に、このメソッドが取り入れられています。
また、ケースメソッドを応用した教師教育は米国に始まり、日本でも小学校から高校までの現職教員の研修で行われています(安藤 2009)。安藤(2009)は、葛藤や問題の場面における解決策を諸学問の知見を総動員して検討し、自らの経験を分析検討することや、他者と問題を共有し、話し合いながら、自らを振り返ることができるケースメソッドは、教師の学びを促すのに効果的であるとしています。
本ワークショップでは、日本語教育の現場で発生した問題のケース教材を用いたディスカッションを行います。この活動を行う狙いは二つあります。まず、ケース教材をめぐる話し合いを通した学びや気づきの促進です。ワークショップを通して、今まで思いつかなかった新たな考え方に触れたり、自分の考えを整理したり、自分の考えや行動の背後にある学習観や教育観を改めて考えることができるでしょう。次に、このような活動を自ら体験することでケースメソッドやケース教材の理解を深めることです。ケースメソッドやケース教材を使った活動を自身の授業、あるいは所属する機関の教員研修に取り入れられないかを考えるきっかけとなればと思います。
日本語教育の現場で起こる問題や悩みについて、他者とじっくり議論したい方、ケース教材を使った活動に興味をお持ちの方、ケース活動をご自身の授業や職場の研修に取り入れてみたいと考えている方の参加をお待ちしています。
ワークショップで使用するケースは、こちらからダウンロードいただけます。3つのケースをお読みいただいた上で、当日話し合いたいケースを1つお選びください。お申込みフォーム入力時に、選んだケースをご提示いただきます。
第39回 世話人
江森悦子(日本国際協力センター)
大野早苗(順天堂大学)
武一美(早稲田大学)
トンプソン美恵子(早稲田大学)
ボイクマン総子(東京大学)
宮崎七湖(新潟県立大学)
概要
日時 | 2016年6月18日(土)12:45~17:00 |
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会場 | 早稲田大学 早稲田キャンパス 3号館 801号教室 |
定員 | 100名 |
参加費 | AJG会員:無料 非会員:1000円 |
申し込み期間 | 2016年4月25日(月)〜 6月4日(土) |
*会場が変更になりましたので、お間違えのないようご注意ください。
*研究会当日の入会は、お受けできなくなりました。非会員の方で、本研究会より会員としての参加を希望される方は、お手数ですが事前にご入会いただきますようお願い申し上げます。
プログラム
12:15~ | 会員受付開始 |
12:45~13:15 | 会員総会 |
13:15~13:30 | 休憩・非会員受付 |
13:30~17:00 | ワークショップ |
*若干スケジュールを変更させていただく場合がございます。ご了承ください。
講師・ファシリテーター
宮﨑七湖(新潟県立大学)、江後千香子(早稲田大学)、江森悦子(日本国際協力センター)、武一美(早稲田大学)、
田中敦子(慶應義塾大学)、高山幸巳(城西大学)、寅丸真澄(東京外国語大学)、森沢小百合(早稲田大学)
講師・ファシリテーター紹介
ワークショップ講師・ファシリテーターは、日本語教員を対象としたケース教材の開発を行っている「ケース教材作成グループ」のメンバーです。
*今回のワークショップは、以下の科研費研究プロジェクトとの共同開催です。
「ケースメソッド教授法の日本語教育学への応用―ケース教材の開発と教員研修―」
基盤C(課題番号25370604、研究代表者 宮﨑七湖)