アカデミック・ジャパニーズ・グループ研究会

2015年度

AJG第38回研究会 会員の発表および講演・ワークショップ
「日本語教師の『つなぐ』役割 -複数の文脈を横断する学習者の支援を考える-」

趣旨説明

 人間の認知を状況に埋め込まれた関係性の中で捉えようとする状況論は、1990年代以降注目され、教育実践にも多くの影響を与えています。その中でも「文脈横断論」は「ある状況と別の状況との間の乖離やつながり、それらの間をまたぐ過程で見られる発達的変化といった、複数の状況間をまたぐ学習・発達過程に着目する領域」(香川2011:605)とされるもので、近年注目されています。複雑な現代社会における私たちの生活は、さまざまな文脈横断の網の目の中に埋め込まれていると言えるでしょう。そして、日本語教育の場をそのような視点で見たとき、学習者は複数の文脈を移動・横断しながら生活しており、そうした複数の文脈での参加の様相が相互的に作用していることに気づかされます。

 2016年2月の第38回研究会では、大阪大学国際教育交流センターの義永美央子先生をお迎えして、文脈横断論の議論をご紹介いただき、日本語入門レベルの研究留学生を対象としたプレゼンテーションの実践についてご報告していただきます。また、後半にはグループワークを行い、参加者それぞれの実践の現場において、学習者がどのような状況/文脈に参加しているか、またそれらの文脈と日本語学習を有機的につなぐ学習デザインにはどのようなものがあるか、さらには日本語教師/支援者にはどのような役割が期待されるのか、についても、ともに考えていきたいと思っています。

<引用文献>
香川秀太(2011)「状況論の拡大:状況的学習,文脈横断,そして共同体間の「境界」を問う議論へ」Cognitive Studies, 18(4), 604-623. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/18/4/18_604/_pdf

第38回 世話人

大島弥生(東京海洋大学)
小笠恵美子(東海大学)
清水まさ子(国際交流基金)
松本明香(東京立正短期大学)
宮崎七湖(新潟県立大学)
茂住和代(東京情報大学)

概要

日時2016年2月27日(土)10:30~17:00
会場東京海洋大学 品川キャンパス 楽水会館大会議室
定員80名
申し込み期間2016年1月4日(月)〜 2月20(土)
定員になり次第締切りますので、お早めにお申し込みください
参加費AJG会員:無料
非会員1,000円(非会員の方の当日の入会も受け付けます)

プログラム

【午前の部】会員ポスター発表 発表内容はこちらをご覧ください。
10:00受付開始
10:30〜12:00会員発表
12:00〜13:30昼食兼交流会
【午後の部】講演とワークショップ 

講師:義永美央子先生(大阪大学国際教育交流センター)
「日本語教師の『つなぐ』役割 −複数の文脈を横断する学習者の支援を考える-」

13:30〜14:20講演
14:30〜15:50ワークショップ
16:00〜17:00質疑応答

講師紹介

義永美央子(よしなが みおこ)
大阪大学国際教育交流センター准教授。博士(言語文化学)。
専門は応用言語学・日本語教育学、特に、質的方法を用いた談話分析。
社会文化的アプローチに基づく学習活動のデザインも行っている。
近著に『ことばの「やさしさ」とは何か―批判的社会言語学からのアプローチ―』(編著、三元社、2015年)、『日本語教育学の歩き方―初学者のための研究ガイド―』(共著、大阪大学出版会、2014年)がある。

研究会の詳細につきましては、こちらの開催報告をご覧ください。

AJG第37回研究会 ゲーム学習のデザイン —日本文化科目への応用—

<趣旨説明>

今回の研究会では、歴史を現代社会の問題解決に応用する教材の開発を行っている池尻良平先生 (東京大学大学院情報学環特任助教)をお招きし、ゲーム学習のメリットやデザイン方法について 紹介してもらいつつ、日本文化科目を題材に簡単なゲーム教材を実際にデザインしていただく ワークショップを開きます。日本文化科目を担当することになったけれど、どのように意味のある 学習の場にしようかと迷っている日本語教師のみなさんや、学習者のモチベーションを高めたい、 行為を通した学習(Learning by Doing)の方法を知りたいと考えているみなさんの参加をお待ちしています。

第37回 世話人

伊藤奈津美(早稲田大学)
大野早苗(順天堂大学)
高橋 薫(早稲田大学)
ボイクマン総子(東京大学)
吉田美登利(東京工業大学)

概要

日時2015年11月28日(土)13:00~17:00
会場東京大学 駒場キャンパス KOMCEE K303
定員40名
申し込み2015年11月2日(月)~11月20日 (金)
受付期間定員になり次第締切りますので、お早めにお申し込みください。
参加費AJG会員:無料
非会員1000円(非会員の方の当日の入会も受け付けます)

プログラム

12:40~13:00受付開始
13:00~13:15開会、趣旨説明
13:15~17:00ワークショップ

講師紹介

池尻 良平(いけじり りょうへい):
東京大学大学院情報学環 特任助教。博士(学際情報学)。
専門は教育工学、歴史学習、転移、ゲームデザインで、社会の問題解決に応用できる歴史のゲーム教材を開発している。
また、NPO法人Educe Technologiesにおけるゲームと学習に関する研究ユニット"Ludix Lab"の運営も行っている。
2009年度 東京大学大学院学際情報学府 優秀論文受賞。
2013年 日本教育メディア学会 井内賞(優秀論文賞)受賞。

池尻良平のオープン・ラボ
http://www.ikejiri-lab.net

AJG第36回研究会 日本語学校とともに考えるAJ

<趣旨説明>

国内の日本語学校で学ぶ留学生の背景や目的が多様化している 昨今、その留学生の進学先である大学(専門学校)においても対応への検討が求められ、日本語学校から大学という教育のビジョンの共有は不可欠となっています。大学の教員は進学してくる留学生のことをどれほど理解しているのでしょうか。 また、日本語学校の教員は大学での教育をどのように見通して授業を行っているのでしょうか。

日本語学校では留学生の国籍や背景が多様化している中、受験や試験対策に向けた授業だけではなく、多様で先駆的な試みが行われています。6月のアカデミックジャパニーズ研究会では、そのような日本語学校における様々な授業実践や、機関における取り組みの一端を6つの日本語学校(専門学校)の方々からご紹介いただき、日本語学校から大学という教育の接続(連続性)についてそれぞれの教育機関の立場から共に考える 機会にしたいと思います。

【話題提供者】

・黒崎亜美氏(ラボ日本語教育研修所)
 「日本語学校におけるアカデミック・ジャパニーズを目指して行う継続的読解指導の一提案」
・佐久間みのり氏(横浜デザイン学院)
 「多様化する留学生、入り口から出口までの新しい取り組み」
・萩原秀樹氏(インターカルト日本語学校)
 「日本語学習者に対する『デス・エデュケーション』」
・平澤栄子氏(インターナショナル・スクール オブ ビジネス)
 「進学につながる進路指導のあり方とは?―進学に困難を感じる学習者の抱える 問題から―」
・松本裕典氏(静岡日本語教育センター)
 「進路を選び取る―「キャリア教育」のめざすものとアカデミック・ジャパニーズ」
・宮岡余里子氏(Creative Education)
 「非漢字系学習者のための段階的漢字学習ストラテジーの提案」

こちらから第36回研究会のポスターをダウンロードいただけます。

第36回 世話人

石澤 徹(東京外国語大学)
江森悦子(アークアカデミー)
影山陽子(日本女子体育大学)
佐藤正則(めいと日本語学院)
武 一美(早稲田大学)
トンプソン美恵子(早稲田大学)

概要

日時2015年6月6日(土) 12:30~17:30
会場早稲田大学(22号館 201教室)
定員200名
申し込み
受付期間
2015年5月7日(木)~6月4日(木)
参加費AJG会員:無料
非会員1000円(非会員の方の当日の入会も受け付けます)

プログラム

12:00~受付開始
12:20 ~ 13:00会員総会              
13:00 ~ 13:15休憩・非会員受付 
13:15~趣旨説明 
13:25 ~ 15:30話題提供・内容確認 
(休憩) 
15:45 ~ 16:50グループディスカッション 
16:50〜17:30全体シェア 
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